灘中学校の出題傾向

算数：傾向と対策

灘中学算数の出題傾向は、図形分野が全体の５１％の割合で、圧倒的に多く出題されている。次に文章題分野が２３％で、この２分野で全体の７４％を占める。その他整数分野１５％、計算分野６％、割合分野５％である。関数分野はほとんど出題されていない。
図形分野では「比を使った図形問題（相似図形）」「図形の移動」「立体の切断」「錘の問題」を中心に出題される。文章題分野では「場合の数」の出題が圧倒的に多く、「速さ関係」「食塩水」「推理算」の問題が続く。他の単元はランダムに出題される。整数分野では「整数その他」「規則性」「分数の性質」の問題が中心で、割合分野では「速さと比」が中心に出題されている。計算分野では「□を求める」問題が１題出題されるのが恒例である。
１日目の問題数が多く、近年問題数を減らしたが12～13題出題されるので、時間配分に気をつけることが必要である。２日目のテストを比べると、１日目の問題が簡単とは限らないので、ト－タルでまず確実に解けそうな問題から確実に得点することが必要である。難問に時間をかけないことが合否の分かれ目となる。
なお、当出版発行の「単元別問題集（過去15年）・分野別中学入試問題集」等を利用し、他の難関校の問題を解くことも力を蓄えるのによい。

国語：傾向と対策

例年形式は一定しています。
１日目…長文１題（説明文・随筆文）、年によって俳句か短歌、漢字・語句・文法問題
２日目…長文２題（物語・随筆・説明文から２題）、自由詩１題
1日目は、漢字・語句の知識が多く問われる内容ですが、確実に点数がとれる問題が多くなっています。2日目は、逆に記述問題が中心となっています。文章は長字数でもなく、難解な文章も出されませんが、長文２題に長めの自由詩１題は決して分量として少なくありません。設問数も多いため、内容をおさえた上で、きちんと答案を作成する力が求められているといえます。当社発行の「難関漢字語句（関西編）」を是非ご利用ください。
1日目が８０点満点、2日目が１２０点満点ですが、合格するためには６０％以上は必要ですので、１日目にいかに高得点できるかが勝負となってきます。
対策としては、まず漢字力をつけること。書き取り以外にも、熟語に関する知識、慣用句、 四字熟語など語句についてのかなり高度な知識が要求されます。また、外来語の知識を問う問題が出題されるなど、さまざまな知識が問われますので、日頃から言葉に対して知識をつけるために新聞などを読むことも効果があるでしょう。
記述対策としては、過去問を解くことはもちろんですが、記述の多い入試問題を多く解き 、要求されている内容に合った答案が書けるような練習が必要です。とくに灘中で求められているのは、本文中の内容をいかに理解して答案が書けているか、ですから、段落ごとの要約などの練習が効果があります。

理科：傾向と対策

灘中理科の出題傾向は、物理分野が３０％、次に生物分野が２６％、地学分野が２１％、化学分野が２１％である。物理分野の出題割合が多いが、バランスの良い出題が特徴である。 単元別に見ていくと、物理分野では「てこ」「物理その他（てこの発展問題）」など、生物分野では「食物連鎖」「動物」が多く、化学分野では「水溶液関連の問題（金属との反応・ 中和）」「溶解」「酸素・二酸化炭素」、地学分野では「太陽と月」「天気」の出題率が多い。
物理分野では「てこ」が中心で、「波」など学習していない単元も出題されるので、他校の物理系問題もあたっておくと良い。生物分野では統計や資料から類推する問題が中心で基本的な知識を超えた分析力を要求される。化学分野では「中和」・「金属との反応」の計算問題が中心に出題されるので、十分学習しておきたい。地学分野では天体の基本的な動きを確認し、灘中の過去問以外にも他校の発展問題も積極的に解くようにすると良い。当社の単元別問題集（理科過去15年）を是非利用されたい。