東大寺学園中学校の出題傾向

算数：傾向と対策

東大寺中算数の出題傾向は、図形分野が全体の４１％の割合で、文章題分野が２３％で続く。この２分野で全体の６４％を占める。その他計算分野８％、整数分野が１７％である。割合分野は１１％、関数分野はこの10年出題されていない。大問５題で、１問目が３題小問に分かれている。計算分野の８％はこの小問の１問にあたる。問題数が少なく、図形分野の出題が多いことが特徴的である。
文章題分野では「場合の数」が中心で、「推理算」「速さ」「食塩水」の出題が多い。他の単元はランダムに出題される。図形分野では「比を使った図形問題（相似図形）」が最も多く、その他「移動と面積」「錘の問題」「立体の切断」が中心の出題である。
文章題分野、図形分野の特徴的出題単元を中心に対策を立てることが必要だ。毎年難易度は変化するが、近年はかなり難しい問題も出題されているので、難しい問題に時間をかけず、着実に標準問題を解くことが合否の分かれ目となる。
なお、当出版発行の「単元別合格問題集（過去15年）」等を利用し、他の難関校の問題を解くことも力を蓄えるのによい。

国語：傾向と対策

第１問は漢字、次に四字熟語や故事成語、そして、物語文・説明文（論説文）と続くのが通常のパタ－ンとなっていが、今年は第１問の漢字のあと、長文が随筆分、説明文（論説文）、物語文と３題になっている。来年もこの変更が続くのかは不明であるが、用意しておく必要はある。漢字も熟語や故事成語の量も多いので、この問題は確実に解くようにしたい。また、熟語の成り立ち、慣用句、四字熟語など、広い範囲から出題されている。これらの問題もチェックしておこう。
物語文・説明文は比較的長く、設問では５０字～８０字でまとめさせたり、説明させたりする問題がいくつか見られるので、日頃から記述に慣れるようにしておくことが対策となる。そのため、日頃から長文でポイントを押さえて速読することを勧める。
なお、漢字、ことわざ、文法、四字熟語などの漢字語句などの学習は当出版発行の
難関漢字語句（中学受験用）を是非利用していただきたい。関西圏の難関中学の漢字語句問題が網羅されており、毎日短時間に学習するのに最適である。

理科：傾向と対策

東大寺中理科の出題傾向は、物理分野が４０％、化学分野が２０％、生物分野が１９％、地学分野は１８％である。総合分野は３％出題されている。物理分野の出題割合が多いこと、地学分野の出題が少ないことが特徴である。
単元別に見ていくと、物理分野では「てこ・バネ」「回路」「総合問題」の出題が多い。生物分野では近年は「総合問題」形式が多く、他単元では「人の体」の出題が多い。化学分野では「水溶液関連の問題（金属との反応・中和）」が中心で、地学分野では「天気・気温」の出題が多く、その他はランダムな出題である。各分野の出題単元が特徴的なので、受験間近では出題傾向に合わせた学習計画が功を奏することもあろう。
問題が多いので、時間配分に注意したい。物理・地学分野を中心に比較的難しい問題が出題されるので、時間をかけすぎないようにする。また、総合問題形式で出題される問題も１題あるので、基本的な知識を正確におぼえておくことも必要である。
なお、復習には当社の単元別合格問題集（過去15年）をお勧めします。

社会：傾向と対策

社会は問題量の多さが目立つ。歴史・地理・公民・時事問題が1/4ずつを占め、全てが均等に出題されている。
時事問題では、「コロナウィルスへの国の対応と保健所」など今話題となっている事件も出題されている。日頃から新聞に目を通したり、テレビのニュースに耳を傾けたりして、社会の動きに関心を持つことが必要だ。
地理では、いくつかの県の人口・産業・工業別出荷額等から県を区別させる等の問題が出題される。このような問題は各県の特色を理解することが必要で、常日頃から整理して覚えておくことが必要だ。
歴史では「図版」から、それに関連した事件や産業などの問題が出題されるので、教科書の「図版」などを注意深くチェックすることも1つの対策になる。